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坂井聡先生の講演☆★2019年12月18日
法人本部
10月26日に年に1回の法人研修が開催されました。
今年度は香川大学の坂井聡先生をお呼びし、講演をしていただきました。
坂井先生は、香川大学教育学部を卒業され、金沢大学大学院教育学研究科修了後、養護学校教諭を経て、現在は香川大学教育学部特別支援教育学科の教授をされておられます。「暮らしの中のコミュニケーション」「自閉症や知的障がいをもつ人とのコミュニケーションのための10の法則」など数多くの著書を出版されている方です。
「障がいがあるとは?」
「自立とは?」
「あなたは自立していますか?」という問いから始まった先生のお話。
初心に戻り、色々なことを考えさせられました。障がいとは生きづらさであり、個人としての問題だけでなく環境との相互作用の中で考えたときにその人が生きやすい社会なのか、生きづらい社会なのかで決まってくるということ。「尊厳のある人として認められているのであれば虐待や暴力なんてあるはずない」という言葉もとても印象的で、なぜ虐待が起こるのかと考えた時に、障がいや尊厳・自立について支援者がどのように捉えるかがとても重要だと感じました。ありがとうございました。
後半は、野口新理事長の講話があり、重度障がいがあり大変な状況にある人をしっかりと法人で受け止めていくこと、これからの法人の役割や目指すべき姿などを改めて再確認することができました。
職員さんの感想を一部ご紹介します。
(坂井先生講演会)
・「障がいがあるとはどういうことですか」の問いに私自身「はっ」とさせられました。坂井先生の言われた「上下で比べる感覚」が自分の中にもあったのではないか?自分自身も目が悪いなど少しの支援(眼鏡)で物が見えるのと同じ、と当たり前のことに気が付きました。
・印象に残ったのが、『地域を変えずに世の中を変えることはできない』『地域が変わるのを待つのではなく変えていく』という言葉でした。
・自身の支援方法が利用者の障がいになっているのではないかという点にはっとさせられた。
・メンバーの誰もが少なからず不便と感じていることがあると答えていた。手帳を持っていたりするわけではないが、程度の違いこそあれ誰しも不得意なことがあり、周囲のサポート(物や人)があって自立しているのだと考えると、利用者さんの支援についても考え方を変えることで自立を目指していけるのだと感じた。
(野口理事長)
・人間にとって大切なこととして、①貢献②尊厳➂共通の地域生活の保障➃本人の関係を育てる➄自己選択や決定の重視、が挙げられていた。いずれの要素も大切にはなるが、特に「貢献」については、生きていくうえで心と環境の面において要となる部分ではないかと思った。
・幼児から成人までの利用者がいる法人ではありますが、今回のお話はすべてのステージにとって共通している必要なことであると感じました。その人の持ち味を生かすこと、出来る事を増やしていくことは、生きていく上での自信につながる重要なことであると感じました。
・野口理事長のお話は法人の原点を振返る機会になりました。難しいケースでも支援者が集まり、様々な行動分析を行い、ご本人やご家族が少しずつでも安心した日々を送ることができるよう支援してきました。その根本的な思いはどの支援者も同じだと思います。強度行動障がいのある方々、重症心身障がいの方々、まだまだ私たちは出会っていない人たちがいます。福岡市全体としてこの課題に真剣に向き合い、役割分担をし、みんなで福岡市の福祉について考えていくべきだと思いました。