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中央区精神医療・保健・福祉のネットワーク交流会 「ひきこもりとは」2020年3月2日
相談支援センター
2月13日あいれふで開催された中央区精神医療・保健・福祉のネットワーク交流会に参加し、「ひきこもりとは」というテーマで、福岡市精神保健福祉センター相談支援係係長で精神保健指定医であられる武藤先生に講演をいただきました。
ひきこもりとは、様々な要因の結果として社会参加を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念だそうです。また、「ひきこもり」とは病名ではなく、症状、状態を表す言葉で必ずしも、原因として精神障がいが結びつくことはありません。
平成28年9月内閣府『若者の生活に関する調査報告書』によると、広義(自分の趣味に関する用事や近所のコンビニなどへは外出)のひきこもりも含めると54.1万にのぼるとの調査結果もでています。
ひきこもりの方の支援で大切な事は、本人が何かを訴えようとしているものとして、周囲は理解をする必要があり、一概に困った現象として、頭ごなしに否定したり叱ったりするのではなく、メッセージとして理解を試みる事だそうです。
講義の後に事例を通してグループワークをする中で私も感じた事は、ひきこもりとなった背景には必ず本人からのメッセージがあり、なぜそうなったのか、生活歴や環境などから考えること、否定的な事ばかりに目を向けず本人の強みを活かす姿勢、表面的な言葉だけに左右されず、その言葉の裏側の気持ちをくみとる必要があると考えました。
昨今メディアでは「8050問題」として取り上げられる事も多く、基幹相談支援センターにもひきこもりの相談は増えています。初回相談のほとんどは家族や関係者の方々であり、支援者の意向次第では本人の気持ちを置き去りにした支援に陥る事も危惧されます。家族の不安を安心に変えるサポートも当然大切ですが、あくまでも本人主体であることを忘れずに支援を行っていきたいと思います。