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福岡就労支援連絡会 2019年度第4回定例会・勉強会~就労支援における自殺予防・死にたい気持ちに向き合うために~2020年3月5日

相談支援センター

福岡就労支援連絡会 2019年度第4回定例会・勉強会

~就労支援における自殺予防・死にたい気持ちに向き合うために~

 

令和2年2月20日(木)、福岡市精神保健福祉センター本田洋子先生のお話を聞いてきました。

 

本田先生のお話は、スライド盛りだくさんで、「本当なら2分に1枚が理想的なスライドの数なんですけど…」と前置きがありましたが(笑)、そんな前提を覆すような形で次から次へとスライドを繰り広げて頂きました。

 

印象に残ったお話を…

 

●日本は世界においても自殺率が高い国です。世界第7位というのが現状です。

 

●年々自殺者数は減少していますが、10代の自殺は微増しています。

 

●死にたい気持ちと生きたい気持ちが振り子のように交互しています。

 

●①変動する自殺念慮、②心理的視野狭窄(トンネルビジョン)→死ぬことしか見えていない、③焦燥感(そわそわしている人は、死に近い) がポイントであり、自殺念慮は、一定で確固たるものではなく、振り子のように両極を揺れ動いているということを念頭に置く必要があります。「この間死にたがってたけど、今日は元気だから大丈夫かな」は、通用しません。

 

●自殺の危険因子(SAD PERSONSスケール:自殺の危険因子について、性別や年齢など、各種の因子を用いて判断する基準)について。特に危険なのが「自殺企図歴(Previous Attempt」とされています。1回自殺未遂をした人は、また自殺企図を繰り返す可能性が高いと言われています。

 

●解離性障がいの方の場合、記憶が抜け落ちたり別人格になったりしたときに自傷行為を起こすことがありますが、その時は『そこに至る前段階として何が起こっているのか』ということや、『自傷行為も含めて「あなたは一人の人間ですよ」というメッセージを送る』ということが大切だということです。

 

●福岡大学病院の博多駅サテライトには、自傷外来が存在します。

 

●ゲートキーパーとして大切なのはちょっとした「おせっかい」。助言は控えて聞き役に徹したり、「沈黙の共有」をしたり…。

 

●就労支援について、精神に障がいのある方にとっての職場定着が今課題となっています。定着率は49.3%とされています。

 

 

…など。

 

「死にたい」という気持ちは「生きたい」という気持ちの裏返し、と聞いたことがあります。

就労支援に限らず、相談支援などで関わる機関も、「いつもと違う様子」などをしっかりとキャッチして、その背景などにも気持ちを配ることが大切だと改めて感じました。