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ひきこもり問題の理解促進と支援力向上のための研修会2019年6月4日

相談支援センター

5月29日水曜日、「ひきこもり問題の理解促進と支援力向上のための研修会」に参加してきました。(KHJ全国ひきこもり家族会連合会主催)

 

昨今の「8050問題」(ひきこもり当事者とその家族が高齢化)が社会問題とされてきている中で、同様の相談が当センターにも多く寄せられてます。その中で、ご本人とご家族の支援のためになにが必要になってくるか、大切なことは何なのか…。

 

 

いずれの講義に於いても、大切なのは「ひきこもり」という概念への理解であり、支援のアプローチ方法などはたくさんありますが、概念や価値観を理解しないままの支援は「小手先勝負」にしかならない、ということでした。

皆さんは「ひきこもり」と聞いて何を思いますか?

「ひきこもり」は悪ですか?マイナスイメージしか浮かばないでしょうか?

 

 

日本は特異な社会であり、学齢期から小学校中学校と既定路線に乗せられ、ハードルをクリアするとまたハードルが生まれてきます。一度その既定路線から外れると、自分の立ち位置が見えなくなります。

それがひきこもり初期状態であり、その「自分でも不安でたまらない」時期に、周りからの【これからどうするの】【いつまでこんなことをやっているの】などの言葉が余計にプレッシャーに感じ、家族と居てもつらくなってしまいます。

 

 

例えばこんなことも…ひきこもり当事者は「ひきこもりはものすごく忙しい」と口にすることもあります。皆さんのイメージだと「怠けている」「何もしていない」と思うことでしょうが、果たしてそうでしょうか。

既定路線から外れた状態で、これからのことも不安な中、「ひきこもる」だけで精一杯の人たちもたくさんいます。「このままじゃだめだ」ということは誰よりも本人がそう思っています。誤解を招くかもしれませんが、『安心して引きこもれる環境』を作って、そこではじめて、その環境から一歩踏み出す力を手にすることができます。

ゆったりと状態像に向き合うことが一番の原点です、と何回も繰り返されていました😉

 

 

 

とはいえ、ご家族は不安です。いわば危機的状況にある中で、「何とかしなければ」と焦ってしまうのも無理はありません。そんなご家族ごと支援する立場として、我々のような支援者がいるのだと、改めて正しい情報を身に付け、それをアウトプットしていくということの大切さを痛感しているところです。

 

 

最後になりますが、先日の川崎市の事件を受けて、KHJ全国ひきこもり家族会連合会が出している声明文が以下の通りになります。ひきこもり当事者そしてその家族が、不必要な焦りや不安を抱かないように、少しでも早く安心できる支援に繋がりますように、当センターとしてもこれからも頑張っていきたいと思います☺

 

 

川崎市殺傷事件についての声明文